研究実績の概要 |
平成27年度には平成25-26年度に得られた140MeV陽子を用いたp-Li準単色中性子入射によるBi, Coの核種生成断面積測定の結果について、2015年4月12日から17日にハワイ島コナで開催されたMARCX(10th International Conference on Methods and Applications of Radioanalytical Chemistry)にて発表した。また、平成26年度に行われた80MeV陽子を用いたp-Li準単色中性子によるBi, Coサンプルに生成した長半減期放射性核種の測定を行った。測定されたガンマ線エネルギースペクトルから核種生成断面積を求めた。得られた断面積と金らの実験値や核データライブラリによる評価値(JENDL-HE2007 data file, JENDL4.0/HE)、モンテカルロコードPHITSによる計算値との比較を行った。本研究で得られたBi, Coの核種生成断面積の結果はCo-59(n,4n)Co-56反応断面積を除いて金らの実験値と良い一致を示した。Co-59(n,4n)Co-56反応断面積については金らの実験値よりも大きい値となった。また、核データ及び計算値との比較では、Coの核種生成断面積は核データ評価値と良い一致を示しCo-59(n,4n)Co-56反応断面積を除いてPHITSによる計算結果と良い一致を示した。Biの核種生成断面積はJENDL4.0/HEによる評価値と全体的によく一致しており、反応によってはJENDL-HE2007 data fileやPHITSによる計算結果との違いが見られた。
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