研究課題/領域番号 |
25870370
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 崇士 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10572224)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 光生体計測 / 脳循環代謝 / 神経代謝カップリング / 赤外温度イメージング / レーザースペックル血流計 / 脳血管障害 |
研究概要 |
神経活動に伴う脳内の温度変化は、脳活動を反映し、定量的に脳活動を評価できる有用な手段として考えられている。また、脳温度変化は脳循環代謝状態を把握するうえでも重要であると考えられる。本研究では光生体計測を用いて、神経活動を脳温度・血流変化で評価するイメージング手法の確立を目指す。また確立した技術の脳病態評価へ応用を試みる。 これまでに近赤外光を用いた非侵襲血流イメージング(レーザースペックル血流計)の高機能化および高精度化を図るため、ハードウェアおよびソフトウェアの開発を行い、高い時間空間分解能でラット脳皮質の神経賦活時における血流変化を評価することが可能となった。さらこの開発した手法を用いて、ラット脳においてヒゲからの入力を受ける一次体性感覚野バレル領域の血流変化の測定と、熱電対を用いて同様にヒゲからの入力を受けるラットの脳深部(腹側後内側核)温度変化を侵襲的に測定し、脳温度および血流変化の同時計測を行った。その結果、ヒゲ刺激による神経活動時の血流増大と温度上昇が確認されたが、これらの変化には相関関係は認められなかった。脳温度変化は血流変化の影響が包括されているが、この結果より神経活動に伴う脳温度上昇のみを捉え、脳局所神経活動を定量的に評価できることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近赤外光を用いた非侵襲血流イメージング(レーザースペックル血流計)の高機能化および高精度化、熱電対を用いた脳深部温度と局所脳血流変化の同時計測することができた。赤外カメラとCCDカメラを用いたイメージングの実験系に関しては、現在構築中であるが、確立しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
カメラを用いた光脳循環代謝イメージング法を確立させて実験を行う。 対象として神経遮断や虚血モデルラットを用いて実験を行う。 得られた知見より、本システムの臨床応用の可能性について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に必要な消耗品の購入費、出張旅費を確保するため。 次年度は、本年度構築した実験系を用いて動物実験を多く行う予定である。したがって生じた差額は動物を含む消耗品の購入に充てたいと考えている。また一部は、成果報告のための出張旅費に充てたいと考えている。
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