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2013 年度 実施状況報告書

候補遺伝子アプローチによる薬剤毎の間質性肺炎原因多型の究明と診断法確立

研究課題

研究課題/領域番号 25870378
研究種目

若手研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

水澤 精穂  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40523791)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード薬学 / 薬剤誘発間質性肺炎 / 候補遺伝子シークエンス / 服薬前診断 / ファーマコゲノミクス
研究概要

重篤な薬剤副作用である間質性肺炎の原因同定を効率的に実施する手技の確立が目的となる。副作用は、発症頻度から、原因究明は検体数収集が可能となる市販後が主となる。しかし、臨床開発段階で副作用原因が推察できれば、(仮に副作用頻度10%でも服薬前診断で回避できるなら)副作用による開発中止を阻止、治療の選択肢を増やすことができる。本来、臨床開発および市販後調査共に全ゲノム解析が理想だが、現状ではコストと計算所要時間に無理がある。その打開策として、薬剤毎の薬物動態と薬力学関連遺伝子を候補として当該領域の多型と副作用の調査が出来ることが重要で、それでも副作用原因が同定されない場合にゲノム広全域にステージアップさせることが効率的となる。本課題は、間質性肺炎を招く薬剤で、①薬剤毎の薬物動態/薬力学関連(候補)遺伝子の抽出と、②ターゲット領域のシークエンス法を平成25~27年度に確立する計画である。H25年度は、タキサン系について医療用・一般用医薬品集電子版からプログラムによる候補遺伝子抽出を試みたが、論文等の追加調査が必要で、開発を継続する。一方、候補遺伝子が抽出後の仕組みとして、その遺伝子全領域(プロモーター・イントロン含む)配列と領域内variation情報を取得、ターゲット領域を特異的に増幅するプライマー設計も実現した。増幅は5~10kb/PCRで、同領域を異なる2つのPCR産物をMiSEQ pair-end法にてリードし(2重確認)、各人の配列と多型情報を取得する仕組みを構築した。また、次世代シークエンサ―で得られた多型情報の正確さを検証するために、数例についてIllumina社GWAS Omin2.5Mによる遺伝子型と照合し、99%以上の一致を確認した(不一致な多型は原因検索中)。以上、候補遺伝子抽出の仕組みが完成すれば、該当領域のシークエンス・多型情報が得られる状況を整備した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本課題(候補遺伝子シークエンス)は①候補遺伝子の薬剤毎の抽出システムの構築、②当該領域の次世代シークエンサーによる配列・多型情報の抽出と原因同定、③原因遺伝子座位の服薬前診断法の確立と、大きく3項目から構成される。①は50%程度の達成、②はほぼ100%完成したが、今後に解析症例を追加して完成度を確認する。③は原因が同定されていないので未実施であるが、高精度タイピング法であるInvader, TaqMan, Golden-Gate法の手技は自身で確立できていて、またサンガ―法による配列決定も実施できるので、短期間に完成できる。以上から、平成25年度の自己評価は達成度100%と判断している。

今後の研究の推進方策

薬剤毎の候補(薬物動態と薬力学関連)遺伝子の抽出が当初に予想した以上に難しい。情報が論文・著書・データベース等に分散していることと、その記載が大まかには統合されているが、完全な規格にはなっていない。そのため、情報の集約が非常に難しいことが判明している。プログラムによる候補遺伝子の自動選出の仕組みの完成度が低い場合も予測して、論文・著書・データベースのマニュアル操作による検索と製薬会社への問合せは担保していきたいが、副作用安全対策に関連する組織・施設には上司を通じて働きかけていたいと考えている。他の項目は、計画通りに達成できる見込みとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Targeted next-generation sequencing and fine linkage disequilibrium mapping reveals association of PNPLA3 and PARVB with the severity of nonalcoholic fatty liver disease.2014

    • 著者名/発表者名
      Kitamoto T, Kitamoto A, Yoneda M, Hyogo H, Ochi H, Mizusawa S, Ueno T, Nakao K, Sekine A, Chayama K, Nakajima A, Hotta K.
    • 雑誌名

      J Hum Genet.

      巻: 59(5) ページ: 241-6

    • DOI

      10.1038/jhg.2014.17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NUDT3 rs206936 is associated with body mass index in obese Japanese women.2013

    • 著者名/発表者名
      Kitamoto A1, Kitamoto T, Mizusawa S, Teranishi H, So R, Matsuo T, Nakata Y, Hyogo H, Ochi H, Nakamura T, Kamohara S, Miyatake N, Kotani K, Komatsu R, Itoh N, Mineo I, Wada J, Yoneda M, Nakajima A, Funahashi T, Miyazaki S, Tokunaga K, Masuzaki H, Ueno T, Chayama K, Hamaguchi K, Nakao K, Sekine A, Hotta K, et al.
    • 雑誌名

      Endocr J.

      巻: 60(8) ページ: 991-1000

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Genome-wide scan revealed that polymorphisms in the PNPLA3, SAMM50, and PARVB genes are associated with development and progression of nonalcoholic fatty liver disease in Japan.2013

    • 著者名/発表者名
      Kitamoto T, Kitamoto A, Yoneda M, Hyogo H, Ochi H, Nakamura T, Teranishi H, Mizusawa S, Ueno T, Chayama K, Nakajima A, Nakao K, Sekine A, Hotta K.
    • 雑誌名

      Hum Genet.

      巻: 132(7) ページ: 783-92

    • DOI

      10.1007/s00439-013-1294-3.

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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