研究課題
重篤な薬剤副作用である間質性肺炎の原因同定を効率的に実施する手技の確立が目的であった。副作用は、発症頻度から、原因究明は検体数収集が可能となる市販後が主となる。副作用原因について臨床開発段階で推察できるのであれば、(副作用頻度が仮に一割程度でも服薬前診断で回避できるなら)副作用を主因とする開発中止を阻止し、治療の選択肢を増やす蓋然性が高まる。本来的に、臨床開発および市販後調査共に全ゲノム解析が理想ではあるが、現状ではコストと計算所要時間に無理がある。その打開策として、薬剤毎の薬物動態と薬力学関連遺伝子を候補として当該領域の多型と副作用の調査が出来ることが重要で、それでも副作用原因が同定されない場合にゲノム広全域にステージアップさせることが効率的となる。本課題は、間質性肺炎を招く薬剤で、①薬剤毎の薬物動態/薬力学関連(候補)遺伝子の抽出と、②ターゲット領域のシークエンス法を平成25~27年度に確立する計画であった。平成26年度については、昨年度までの報告の通り、Illumina社GWAS Omin2.5Mによる遺伝子型と照合し、99%以上の一致を確認しており、候補遺伝子抽出の仕組みの構築が主たる作業となった。ここまでは順調に実施され、当年度時点において遺伝統計学的な手法を用い計算機上に実装するのが主たる内容であった。だが基本設計の部分での精度の確保が達成されておらず、更なる検討が必要と考えられる。この点は、機器製造者提供部分で解決できない情報処理が課題であるが、その精度についてはあるいは、今後医療制度内で懸案となる個人を識別する疫学的な情報より得られる臨床的知見との連携を、実装を見据えて情報面で計画する必要があるのではないかと考える。
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10.1038/jhg.2014.17
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