本研究では、多様な昆虫ゲノム比較へ向けた情報学的基盤形成と題して、昆虫の既知ゲノム情報およびその他の遺伝子情報の収集と、鱗翅目昆虫の新規ゲノム解読を並行して行った。既知ゲノム情報としては、すでに世界各国の研究者により解読され公開されている多様な昆虫ゲノムや、タンパク質配列などの情報を収集した。新規ゲノム解読では、アゲハチョウ科の鱗翅目昆虫を複数種剪定し、生きた昆虫の採集、ゲノムDNA抽出、次世代シークエンサーMiSeqによる新規ゲノム解読、そしてゲノムデータのアセンブルを行った。また、これらの昆虫種を含む多様な昆虫種について、系統分類や、食草、忌避物質、誘引物質などの情報も収集した。 またアゲハチョウ科の鱗翅目昆虫に対しRNA-seqを行い、Trinityによるアセンブルを行った後に、既知昆虫遺伝子に対するSmith-Watermanアルゴリズムによる全対全比較計算を行い、配列類似性に基づいたクラスタリングを行った後、それぞれの遺伝子グループを既知遺伝子に対する類似性検索を行い簡易アノテーションを行った。 これらの遺伝子グループ情報、および食草や化合物との関連情報はInsectInDB http://insect-plant.org としてまとめ、各学会で口頭発表を行った。現在、論文投稿の準備中である。
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