本研究では,血管壁の力学特性が脈波伝播現象に与える影響を考察するために,数値シミュレーション手法の開発ならびに水槽実験装置の開発を行った. 数値シミュレーションにおいては,デカルト座標系にてオイラー的記述による流体-構造連成解析手法の開発を行った.また,これまでの既存のコードを使用した数値解析においては,ALE定式化を施すことにより流体と固体の離散化の結合を行い,脈波伝播に伴う反射波に着目した解析を実施した. 水槽実験においては,シリコンチューブを血管に見立てた脈波伝播現象の再現を試み,脈波伝播速度をMoens-Korteweg式から算出される理論解と比較することにより,計測精度の検証を行った.
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