研究課題/領域番号 |
25870395
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
米澤 宏一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00362640)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | プロペラタービン / 数値シミュレーション / 翼設計 |
研究概要 |
本研究ではまず,運動量理論および2次元翼素理論に基づく設計法を用いた2種類のブレード設計プログラムを製作した.これらはともに任意の翼型とその空力特性に基づき,ブレードのスパン方向における翼弦長とねじり角の分布を求めるものである.このプログラムを用いてブレードを設計し,数値シミュレーションによる流れ場および,性能の検討を行った.翼型には,流線型の翼型として広く風車に用いられている翼型としてNACA4415翼型と,翼の負圧面で剥離流が生じやすい厚さが翼弦長の5%のくさび形の翼型について比較を行った.また平面形を比較するために,スパン方向に翼弦長の25%の点を基準として翼型を積み上げた基本形状と,翼弦方向に翼型をずらしてブレードに前進角や後退角を与えた形状,翼に上反角や下反角を与えた形状などについて比較,検討を行った.なお,設計時に定めた翼端周速比(翼端速度/上流流速)の設計値は6で一定とし,計算条件は,実施予定の風洞実験のレイノルズ数と一致するように設定した.まず,翼の前進角および後退角の影響を翼端周速比を変化させて比較した.流線型翼型であるNACA4415に関しては翼の全神格および後退角の影響はほぼ見られず,翼端周速比を変化させてもパワー係数は前進角および後退角の大きさによって大きく変化しなかった.翼面の圧力分布についても前進角や後退角の影響はあまり見られなかった.上・下反角を与えた場合,性能は大きく低下した .くさび形の翼型を用いた場合には後退角の大きさによってブレードの負圧面の圧力分布が変化が見られた.これにより,翼端周速比の大きな部分での性能が上昇した.また,実験を実施するために,プロペラタービンのトルクと回転数,および軸方向の抗力を計測する装置を設計製作した.また,予備実験により,計測精度が確保されていることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は数値解析結果および実験によりパラメトリックに翼の平面形の影響を調べることとしていたが,数値解析結果は計画時の予想とは異なる部分が多く見られた.このため数値解析による検討に時間を割いたため,実験は予備実験の実施にとどまっている.
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今後の研究の推進方策 |
数値解析により,翼の負圧面である程度の剥離が生じる方が翼の平面形の影響が強く現れると考えられる.また,通常の風車の設計を行うと翼の角度が回転面に対して小さく,本研究の着想の元となった,プロペラ翼とは大きく異なる流れとなっていることも判明している.今後は,翼端周速比の設計値を新たに検討項目に加える.また,実験による検討を行い,数値解析の妥当性を確認しながら,当初の計画通りに研究を進める.
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次年度の研究費の使用計画 |
数値シミュレーションを重点的に行い、実験計画が変更になり実験用ブレードの製作を行わなかったため、残額が生じた。 次年度は実験に重点を移し、複数のブレードを製作を行う。
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