コレラ毒素(CT)は粘膜系の免疫アジュバントであり、経口投与によりIgA産生誘導やTh2免疫応答を誘導する。しかし、その作用機序は不明である。我々は、CTで刺激した細胞においてアルギナーゼ-1(ArgI)の遺伝子発現が顕著に誘導されることを見出し、これをもとにCTの免疫アジュバント作用に関与する分子機序の解明を試みた。まず、CTの新規機能分子を探索し、PKAを含む幾つかの機能分子候補を選別した。そして、PKAやArgIが、CTとLPSによるIL-1β産生誘導に、転写後レベルで関与することが明らかとなった。今後もCTによる免疫アジュバント作用の新規分子機構の解明を進める。
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