研究課題
平成26年度は、ダブルデッカーパルスラジオリシスにおいて干渉計よりも高度な分光手法を確立するための光伝導アンテナを用いたテラヘルツ波検出手法の検討を行った。これまでに開発を行った微細構造電極を有する大口径光伝導アンテナを応用して、電子ビームが放射する電場波形を計測できることが分かった。電子ビームが発生するラジアル偏光成分を有するコヒーレント遷移放射の(テラヘルツ)電場波形の観測に成功した。電子ビームと同期したフェムト秒レーザーを光学遅延し、光伝導アンテナから出力される光誘起電流の光学遅延依存性を測定することにより、テラヘルツ電場波形を観測した。電荷量が170 pC/pulseの時に得られた電場の時間プロファイルをガウスフィッティングすることにより、パルス幅:約0.5 psの電子ビームが得られていることが分かった。また得られた時間プロファイルのフーリエ変換により0.1 THzから0.5 THz程度まで周波数スペクトルの成分を確認した。さらに、従来の測定系(干渉計)に比べて、回折限界による低周波(~0.1 THz)における検出感度の減少を防ぐことができることも明らかとなった。
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