本研究では、1台の加速器から時間・空間的に異なる2つの電子ビーム(ダブルデッカー電子ビーム、エネルギー:32 MeV)を発生した。電子ビームを、試料励起用とテラヘルツ分析光発生に利用し、半導体(高抵抗シリコン)において電子ビーム誘起時に生成する準自由電子による過渡的なテラヘルツ波透過率減少を観測できることが分かった。また、微細構造電極を有する大口径光伝導アンテナを応用してフェムト秒電子ビームが放射するテラヘルツ分析光(コヒーレント遷移放射)に対して従来よりも高度な分光手法(時間領域分光)を適用できることが明らかとなった。
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