健康長寿を達成するためには,咬合や咀嚼機能がきわめて重要な役割を果たしていると推察される.本研究では,平均約65歳の高齢者を対象に10年間のコホート研究を行い,歯や口腔機能,また全身の健康状態や疾患の罹患について調査を行った. 10年間で約60%の人が,少なくとも1本歯を失っており,咀嚼能率は有意に減少した.高血圧、糖尿病などの全身疾患に有病率は,10年間で増加した.また,10年間で歯の喪失を認めた人は,歯数が全く変化しなかった人に比べて,高血圧や糖尿病などの全身疾患に罹患するリスクが高くなることが示唆された.
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