研究課題/領域番号 |
25870413
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮澤 清太 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (10377905)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | パターン形成 |
研究概要 |
本研究課題では、細胞が膜電位の「つぶやき」を通して行う細胞間コミュニケーションを検出/制御し、パターン形成過程との関わりを明らかにすることを目的としている。細胞集団中の個々の細胞の静止膜電位を網羅的に計測・可視化する技術を確立し、発生・再生過程における膜電位パターンの遷移を観察するため、本年度は膜電位感受性蛍光プローブを色素細胞特異的もしくは全身性に発現するトランスジェニックゼブラフィッシュの作製を行い、ストライプ模様パターン形成過程における細胞膜電位パターンの遷移様態の観察を試みた。また、細胞膜電位を脱分極方向へシフトさせる効果をもつと推定される複数の遺伝子について、色素細胞特異的な発現を誘導するトランスジェニックゼブラフィッシュを作製した。成長に伴うストライプ模様パターン形成過程を観察することで、それぞれの因子が模様パターン形成に与える影響についての検討を行った。膜電位感受性蛍光プローブを用いた膜電位パターンの観察については、細胞におけるプローブの発現量が小さいことからシグナルの検出が容易でなく、やや難航している。一方、膜電位シフト操作の試みについては、少数の遺伝子導入個体について模様パターン形成にわずかな変化が認められたが、パターン形成に劇的な効果をもたらすような因子はこれまでのところ確認できておらず、今後の検討を要する状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
膜電位感受性蛍光プローブによる細胞膜電位パターンの可視化について、遺伝子導入個体でのプローブ発現量の問題から望ましいシグナル強度が得られておらず、やや難航している。また、細胞膜電位をシフトさせることでパターン形成に影響をもたらすような因子の 探索についても望ましい結果は得られておらず、総じて当初計画からはやや遅れていると言える。
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今後の研究の推進方策 |
細胞膜電位パターンの可視化について、シグナル強度の問題を解決するため、プローブの発現効率を向上させる方策を検討中である。また、膜電位の人為的なシフト操作についてより広範な因子を対象とした探索を行う他、外部刺激による操作の可能性についても検討を行っていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
膜電位パターンの可視化および膜電位シフト操作実験の双方とも当初計画からの遅れが生じているため大規模な実験系への移行段階まで到達しておらず、このため解析に関連する一部研究費の次年度への繰り越しが生じている。 本年度実施予定であった解析等を次年度に繰り越して行う他は申請当初の使用計画に沿って実施していく予定である。
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