本研究は、途上国におけるジェンダー格差と母子の健康との関連性について、ラオス全土を対象とした二次データと、ビエンチャン県郊外の農村で行ったフィールド調査を通じて、明らかにした。主な成果は以下の3点である。第一に、ラオスにおける家庭内のジェンダー格差の現状について、ジェンダー格差の多次元性を配慮した上で、基礎的な統計データが整備された。第二に、ラオスの子どもの貧困におけるジェンダー格差の存在が、子どもによる食事摂取と生活時間配分というユニークなデータによって確認された。第三に、ラオスにおける家庭内の多面的なジェンダー格差が母子の健康に与える影響が明らかにされた。
|