巨大氷衛星の熱史及び衝突史の解明に必要な熱進化モデルを構築するため,極低温・真空下で実験可能なパルスチューブ冷凍機付き大型真空チャンバーを開発し,水氷及びエタノール氷の作成を行った.氷試料の作成前に乾燥窒素をチャンバー内に循環させ,実験結果に影響する霜の影響を取り除くことができた.また,氷模擬物質を用いた周期振動実験を行い,エネルギー減衰率を求めた.エネルギー減衰率は周波数が小さくなるほど,指数関数的に減少することがわかった. 最後に,氷衛星の衝突史の解明に重要な水氷の複数回衝突破壊実験を行った.その結果,衝突回数に依らず標的に与えられた衝突エネルギーの総計で破壊の程度が決まることがわかった.
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