研究課題/領域番号 |
25870433
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
井口 高志 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (40432025)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知症ケア / 映像アーカイブス / 地域 |
研究概要 |
2013年度は研究の初年度であり、本研究期間の前段階として行ってきたデータ収集を本研究に継続させていくための整理と、次年度以降の本格的な調査のための地ならしの作業を行った。具体的には前者については、2010年から2013年にかけて継続してきたNHKデータアーカイブスの認知症関連番組視聴から算出したデータを整理・分析し、そのまとめを、台湾での国際アルツハイマー病協会(ADI)の国際会議、韓国ソウルでの国際老年学会(IAGG)の国際会議でポスターとして報告した。この作業を通じて、次年度以降に補足していくデータが明らかになり、また国際会議で調査研究に向けてのネットワークを作ることができた。 もう一つの課題である次年度の調査の地ならしという点では、近畿圏で活動する若年認知症支援のネットワークや、全国的に展開している認知症支援の活動に参加して、活動をしながら観察やインタビューをし、調査課題を絞っていく作業を行ってきた。その活動自体は、まだ学会発表や学術論文の形とはなっていないが、ウェッブマガジンのSynodosでの長文のエッセイ「「新しい認知症ケア」の時代と労働・仕事・活動――認知症ケアの現在地点とその先」(2013.12.19 http://synodos.jp/welfare/6521)として中間段階の考察を発表した。また2014年5月に発刊される雑誌『支援 vol.4』においても、「「みんなの問題」を考える」というコラムとして中間段階の報告が掲載予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書で書いた通り2年目における調査研究に向けての準備を国際会議や調査先の活動に参加することを通じて遂行することができた。ただし、計画書に記載した宅老所への調査の下準備がまだできておらず、その地ならしをしつつ調査を進めていくことが、次年度以降の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度は、本研究期間以前、また初年度に形成した若年認知症支援のネットワークへの参与観察やインタビュー調査を本格的に行っていく。また、認知症ケアの歴史を探る方法の一つであったNHKアーカイブスの映像資料を分析していく作業、および新たな資料収集にも取り組んでいく。そうした調査遂行の過程と並行して、積極的に国内外の学会での報告や大学の紀要、雑誌への執筆などの発信も行っていく。
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