本研究では、構造を任意に制御できるイオン液体の特性に注目し、キラルなイオン液体を利用した高選択的不斉光反応を目指した。メントール誘導体を不斉補助基とした不斉光反応を参考にし、イミダゾリウム基とメンチル基をカチオン部に持つイオン液体を種々合成したが、不斉誘導は起こせなかった。一方、メンチル基を有するアンモニウム塩を用いた場合、4級化によるイオン液体化は達成できなかったが、1級アンモニウム塩において不斉誘導が達成できた。さらに、この時の主生成物のキラリティーは同じ1級のメンチルアミンを用いた時に得られた主生成物のキラリティーとは逆のキラリティーを有するという興味深い結果が得られた。
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