戦前期の日本の経済成長には、教育機関による人的資本の形成が重要な役割を果たした。本研究は、第一次史料を使用して、1920~45年の高等商業学校について研究した。高等商業学校は、簿記・外国語・法律などの知識を教授する技術・技能教育から独創性・研究力などを高める学問教育に転換した。この教育転換は、独創性などを必要としていた企業要求を満たしていた。従って、戦間期の日本の高等商業教育は、教育と経済との調和が図られていたといえる。加えて、本研究では戦時期に学校と国家との関係が人的資本形成にどのような影響を与えたのかを検討した。
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