パーキンソン病(PD)は脳内にαシヌクレイン(AS)蛋白凝集体を形成する。PD患者の脳で小胞体内カルシウム安定化機構であるTRPC1カルシウムチャネルの発現が低下していることが知られており、PDモデル細胞にて解析を行った。培養細胞PC12を用いてヒトAS蛋白を過剰発現できる系を構築しTRPC1とASとの関連性を調査した。まずミトコンドリア神経毒で細胞を刺激したところTRPC1蛋白の発現が抑制された。AS発現はこのTRPC1チャネルの発現量に影響しなかったが、阻害剤にてTRPC1チャネルを抑制した条件ではAS関連性の細胞死が誘導されたためTRPC1チャネルはASの上流シグナルにあると推察された。
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