研究課題/領域番号 |
25870446
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
前波 晴彦 鳥取大学, 産学・地域連携推進機構, 講師 (40604848)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 産学官連携 / 科学技術政策 / 公共政策 / 地域政策 / イノベーション政策 |
研究概要 |
研究計画に従いJST が運営する「産学官連携支援データベース」から産学官連携支援人材の年代別・地域別分布のデータベース化を試みたが、JSTのサーバ内に過去のデータが蓄積されておらず、年代別のデータベースを構築すること不可能であることが明らかになった。そこで、本研究開始以前から報告者が独自に上記データベースから収集していた情報を基礎として、半年ごとにJSTのデータベース内容を保存することでデータベースの構築を行うこととした。JSTでは現在も「産学官連携支援データベース」の過去データの保存は行っていないため、産学官連携支援制度と産学官連携従事者との関係を分析するためには報告者が収集しているデータは有用である。次にこれまで報告者が行ってきた「地域ニーズ即応型」を対象とした産学官連携支援制度の利活用に影響する変数の探索を精緻化した。具体的にはこれまでの検討から影響が示唆されていたファンディング機関の地域拠点の影響についてより正確な影響を把握するために、各拠点の所管状況を反映した指標を導入し、これによってモデル精度が向上することを確認した。さらに「地域ニーズ即応型」同様に地域科学技術振興施策として実施されていた「シーズ発掘試験」についても同様の手法を用いて利活用状況を分析した。その結果、「シーズ発掘試験」においても「地域ニーズ即応型」で用いた指標が適用可能であることを確認した。「シーズ発掘試験」は大学教員を主な対象とした比較的少額のギャップファンドであったが、本分析では地域別の制度利用に対して大学教員の多寡の影響は検出されなかった。むしろ「地域ニーズ即応型」でも検出されたのと同様に地域内の科学技術支援リソースの影響が大きいことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データベース構築については基となるデータの不在により計画通りの構築が出来なかったものの、本研究の目的である産学官連携支援制度の利活用に対する影響要因の推定は概ね予定通りに進行している。研究計画で示した手法が新たな支援制度でも検証されたことは、現在検討されている変数の有用性を強化する結果であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究計画に沿って、現行の支援制度へ分析対象を拡張する。これまで分析対象としてきた支援制度と現行の支援制度とは2009年の行政仕分けの影響を受けて性格を異にしていると考えられ、これまで影響が検出されてきた地域の支援リソースが同様の効果を示すかを検証する。現行の支援制度に関する必要データはJSTより提供を受けている。それをもとに現行の支援制度を包含する評価指標を開発すると共に制度の変遷を実証的に明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費総額が申請時から減額され購入予定であった統計解析ソフトの購入を取り止めたため、当初予定から残額が生じた。 残額は翌年度の旅費に繰り入れ、当初計上していなかった遠隔地の研究協力者との打合せ費用として使用する。
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