研究課題/領域番号 |
25870454
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
廣冨 哲也 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (70379692)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 福祉情報工学 / ユーザインタフェース / リハビリテーション / 姿勢保持 / 運動障害 / モーションセンサ / タッチ操作 |
研究概要 |
平成25年度は、シーティング支援システムの基盤となる、タブレット端末やスマートフォン利用時のタッチ操作を計測・解析するシステムを開発し、データの収集と特徴量の抽出を行った。 1. タッチ操作計測・解析システムの開発: ランダムにハイライトするタブレット端末画面上のボタンをタッチ操作で選択していく「計測課題部」、タッチした時間、位置、エラー数等を記録する「操作記録部」、4台のビデオカメラによる映像、3軸ワイヤレスモーションセンサ8台で計測する加速度と角速度のデータ、操作記録部で記録したデータを同期して解析する「操作解析部」、解析したデータをグラフの可視化する「可視化部」で構成される、タッチ操作計測・解析システムを開発した。計測用課題部について、当初の計画では、フリック等のタップ以外の操作も対象とする予定であったが、療法士と相談の上、被験者の運動能力も考慮し、まずはタップ操作に限定して実装を行った。 2. タッチ操作データの収集: タッチ操作計測・解析システムを使用し、19名の被験者についてデータ収集を行った。内、7名については、タッチパネルの操作が困難であったため、押しボタン式スイッチの操作を計測した。モーションセンサを取り付ける身体部位は、療法士と相談し、シーティングを評価する上で注目すべき部位を選定した。 3. タッチ操作の特徴量抽出: タッチ操作を評価する特徴量の候補として、身体部位およびボタン毎の加速度の二乗平方平均根(RMS)、画面またはスイッチをタッチするまでの所要時間、タッチしてからリリースするまでの所要時間、操作ミス数、操作ミスの発生位置を解析した。タッチ操作計測・解析システムで可視化した特徴量のシーティング支援における有用性を評価するため、療法士の観察によるタッチ操作の分析結果と比較検討するフォーカス・グループを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、計測システムの開発、データの収集、特徴量抽出の3項目の実施を予定していた。シーティング支援に携わる療法士の協力を得て、現場のニーズに即した内容に変更した部分(計測する操作をタップのみに限定する等)もあるが、概ね全ての項目について目標を達成することが出来た。平成26年度の実施計画に記載していた可視化部分についても一部の実装が終わっており、当初の計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進行しており、平成26年度も当初の計画に沿って実施する。研究実績の概要項目3で記述した療法士とのフォーカス・グループにおいて、「シーティングを決定する際には、安定した操作の持続性も評価の指標である」等のコメントをもらっている。平成26年度に計画を実施するにあたり、フォーカス・グループで収集したこれらの要求を分析し、シーティング意思決定支援システムの開発に反映させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外で開催される国際会議で研究成果を発表する予定にしていたが、国内で開催された国際会議やシンポジウムで発表したため。 海外で発表される国際会議等で研究成果を積極的に発表することに使用する。
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