オイルパームプランテーションの拡大によって東南アジアの熱帯林は急速に減少している。本研究では、プランテーションに媒介昆虫として導入されるアフリカ産のゾウムシ(外来種)と、断片化した熱帯林のネットワーク形成に寄与するプランテーション内の残存林に生息する昆虫種(自生種)について、パーム種子生産への貢献度を比較した。 その結果、熱帯林が残存するプランテーションでは、自生種のコバエ類も種子生産に貢献していることなどが明らかとなった。つまり、残存生態系により提供される送粉サービスの活用が、断片化した熱帯林のネットワーク形成のみならず、安定的なオイルパーム種子の生産にも寄与することを示唆するものであった。
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