我々は肺線維症において、体内における傷害物質の侵入を速やかに認識し反応を起こす「傷害記憶システム」が構築され、疾患の進行に関わっている可能性があると仮説を立て、骨髄移植を用いた系により検討を行った。健常マウスおよびブレオマイシン誘導性肺線維症マウスより得られた骨髄細胞を用いた移植を行い、レシピエントマウスに再度ブレオマイシンを用いて肺線維症を誘導したところ、肺線維症ドナー骨髄細胞を移植した群で著しく肺線維症が悪化したが、その主たる悪化の要因は肺線維症マウス骨髄における単球系細胞によるものと考えられた.
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