食細胞機能異常症であるIFN-γR1およびSTAT1欠損症は、MSMDに分類される原発性免疫不全症である。多発性骨髄炎の合併はMSMDの80%でみとめられる臨床的特徴の一つで、経験した症例も骨髄炎とそれに伴った骨融解像を認めている。破骨細胞は多核の組織マクロファージであり、骨髄球系/ 単球系細胞から分化する。IFN-γは破骨細胞形成の強力な抑制因子であるが、ヒトにおいて抑制の分子機序は明らかにされていない。本研究では、食細胞機能異常症由来の細胞を用いて、IFN-γによる破骨細胞の形成と機能への影響について解析し、IFN-γによる破骨細胞の抑制機構の破綻により骨病変を呈することが推測された。
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