本研究では、ホスホランバンに特異的に結合し、心筋小胞体へのCa2+取り込みを促進する核酸アプタマーを新たな心不全治療薬として開発することを試みた。その結果、細胞膜透過性ペプチドの改変型TATペプチドを付加した膜透過型ホスホランバン・アプタマーが、成獣ラットより単離した心筋細胞の収縮・弛緩能、及びCa2+濃度変化の促進効果を示すことが明らかになった。また、この膜透過型アプタマーは、心不全モデルマウスにおいて一部のマウスであるが、心機能の改善効果を示した。以上より、膜透過型ホスホランバン・アプタマーが新たな心不全治療薬として利用できる可能性が示唆された。
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