多巣性運動ニューロパチー(MMN)症例の伝導ブロック(CB)のない腓腹神経と,CBのある末梢神経を用いて病理検討を行った.光顕像観察の後に,電子顕微鏡で撮像を行い,神経内膜内血管における血管内皮細胞間tight junctionの破綻の有無を観察して,tight junction破綻の割合を定量的に評価した.結果は光顕像ではCBを確認した末梢神経に脱髄性変化をみとめた.tight junctionの破綻割合は,同末梢神経でのみ上昇を認めた.いずれの症例でも血管内皮細胞の超微形態に変化を認めなかった.MMNでは運動神経において局所的に血液神経関門の破綻を生じている可能性が考えられた.
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