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2013 年度 実施状況報告書

プリオン蛋白過剰発現が誘導するオートファジーのメカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 25870474
研究種目

若手研究(B)

研究機関徳島大学

研究代表者

矢野 雅司  徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 技術員 (10531858)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードプリオン / オートファジー
研究概要

HEK293T細胞における正常プリオン(PrP)過剰発現におけるオートファジーを介した細胞死のメカニズムを明らかにするにあたり、その機能に重要な正常プリオンの領域を決定するための正常プリオンの様々な領域を欠損するデリーションミュータントを複数作製した。そして、それぞれのデリーションミュータントをHEK293T細胞に過剰発現させた。正常プリオンを過剰発現させた時には細胞死が起こるが、正常プリオンのオクタペプチドリピートの直前の領域を削除したもの(PrP⊿pre-OR)では細胞死には違いがなかった。しかし、GPI anchor signalを欠損させた(PrP⊿GPI)およびオクタペプチドリピート領域を欠損させた(PrP⊿OR)と正常プリオンの23番目から88番目の領域を欠損させた(PrP⊿23-88)では細胞死の誘導は緩和された。これらの結果から、PrPcの過剰発現による細胞死誘導にはオクタペプチドリピート領域およびGPIアンカー領域が重要であることが示唆された。
次に、HEK293T細胞の細胞死に重要な正常プリオンの領域に結合する分子をYeast two-hybrid法を用いて同定したところ、Lrp11(low density lipoprotein receptor-related protein 11)が結合する候補の一つとして発見した。そしてそれをGST pull-down assayで正常プリオンとの結合を確認したところ、正常プリオンとLrp11が結合していることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年に行う予定であった研究が少し遅れており、平成25年度に遅れている部分と平成26年度に予定している研究を行う。研究が遅れた理由は、HEK293T細胞に遺伝子導入する際に遺伝子導入方法の条件検討に時間がかかってしまい、少し研究が遅れた。

今後の研究の推進方策

①これまでの結果で、HEK293Tに様々なデリーションミュータントを過剰発現させて細胞死が緩和される領域を発見したが、このデリーションミュータントがオートファジーによる細胞死かどうかの検証を行う。
②オートファジーを介した細胞死に関与する正常プリオン結合分子を決定するために、トランスフェクション法とノックダウン解析を用いた方法で細胞死を阻害する分子を同定する。
③Lrp11と正常プリオンとの結合によるオートファジーの活性が、プリオン病の神経細胞死に関与するのかプリオン病モデルマウスを用いて検討する。具体的には、プリオン感染脳内における結合分子の解析と、結合分子とオートファジー及び神経変性死の関連性の解析と、オートファジー活性シグナルの解析を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度の研究が少し遅れたため予定よりも使用額が少なかった。
平成26年度は遅れていた研究の分を使用する予定であるため、平成25年度分の残額を平成26年度に使用するつもりである。

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公開日: 2015-05-28  

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