研究課題
平成27年度は、口腔のケアに関する教育方法について確立するために、前年度までに調査した結果を基に、教育マニュアルの検討を行うとともに、その教育手法による教育効果の検討を行った。日常業務として口腔ケアに従事または従事しようとする医療および介護職を対象に、口腔のケアおよび口腔咽頭吸引を主体とした研修会を平成27年8月、10月、11月、平成28年2月および3月に開催する機会を得て、受講者から評価を得た。各回の開催とも受講希望者が多く、受講者は近隣の住居または勤務先だけでなく、全国各地からの応募があった。受講者の職種は歯科医師、歯科衛生士に加え、看護師、介護職、言語聴覚士であり、口腔ケアに関与する医療・介護職などの多職種となった。研修会の内容は、口腔のケアおよび摂食嚥下障害の基礎知識を修得するための講義を行ったあと、口腔のケア、口腔咽頭吸引、摂食嚥下障害への対応に関しての実習を行い、各内容とも、アセスメント、リスク管理、基本手技、評価方法など臨床での一連の流れを修得できるようなカリキュラムを開発した。また、教育法とともに、研修に関わるインストラクターの対応についても検討した。各研修後には、受講者を対象とした質問紙調査および各項目の理解度についての調査を行い、教育上の課題を抽出し、次回以降の研修内容を見直しながら、効果的な教育手法を開発した。最終回において、各内容の講義ならびに実習について受講者の評価は「良い」と回答したものが多かった。頸部聴診可能なシミュレータは、ヒトからの聴診音データの収集が困難であったため、既存の教材を利用することとなった。改良したポータブルミュージックプレーヤーを本研究で開発した口腔機能管理シミュレータの頸部に取り付け開発した。本研究にて開発した教育法の普及により、医療・保健・介護に関わる多職種間連携の強化が期待される。
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