本研究では、鎖国政策下の江戸時代後半から明治に入った19世紀末まで、西欧人が日本から持ち帰った自然史標本資料や文献を調査し、当時の西欧による日本研究の一端を明らかにすることを目的とした。資料については、来日した西欧人の足取り、交友関係を解明することで、在外資料の所在地をつきとめ、現地の資料調査を実施して検証した。西欧人が収集した日本の自然史資料の特徴は、1)18世紀末から19世紀初頭、2)19世紀前半、3)19世紀後半の明治初期、4)19世紀末から20世紀初頭、の4つの時期に分けられた。これは西欧による日本研究の一つの動向を示すものと考えている。
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