研究課題/領域番号 |
25870488
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
畠山 豊 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (00376956)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療情報学 |
研究実績の概要 |
高知大学医学部附属病院において実施した75g経口血糖負荷試験(OGTT)データを対象として、血糖値データのみを用いてインスリン値の時間変動を予測する手法の構築を行った。 既に提案されている血糖値及びインスリン値を用いた糖代謝能力を記述している数理モデルを利用して、血糖値を既知としモデルパラメータを内部モデルとして利用する予測方法を構築した。モデルパラメータの数及び分布域から組み合わせ爆発が起こり全パターンに対して適用することは困難であるため、他の患者データに基づいて生成したモデルパラメータを利用することで計算量の軽減を行った。つまり、モンテカルロ手法的にモデルパラメータをある程度用意し、実際の血糖値の時間変化とモデル計算によって生成した血糖値の時間変化が近似しているモデルパラメータを用いて、インスリン値の時間変動の推定を行った。 高知大学のデータに適用し、推定したインスリン値の時間変動分布域に実際の変動値が含まれていることが確認でき、正しく推定できる結果が得られた。糖代謝能力はインスリン分泌能及び感受性によって決定されるため、構築手法によってその分布域が記述された結果として出力された。また、他の患者データによって生成しているため、類似した糖代謝能力の患者は存在し、そのパラメータでも正しく推定することが可能であることも確認した。これらの結果により、持続型血糖計のデータに対しても本手法の適用が可能であることも示した。 これらの構築手法及び適用結果をまとめ、医療情報学会の学術大会に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
持続型血糖計の導入を行ったが、適用できるデータの取得がまだ行っていないため、予定より遅れている。今後データ取得を行い、時系列データの計測データ数の増加と予測精度の関係について評価を行う。
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今後の研究の推進方策 |
今回構築した手法を持続型血糖計などによって取得したデータに適用し、計測データ数の増減によって予測精度が変化するかどうかについて評価を行う。さらに、最低限必要な時系列データ数の評価についての解析も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
持続型血糖計の新機種が発売され、申請時よりも価格が下がったため、その分の次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
英文翻訳、校正など成果発表に関わる謝金として利用する。
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