研究課題/領域番号 |
25870490
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
常行 泰子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 講師 (90632589)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 質的研究 / アクションリサーチ / 参与観察 / 運動プログラム開発 / ニーズ調査 / フィットネス |
研究実績の概要 |
本研究は、行動変容ステージが低く、現在運動・スポーツをしていないが6ヶ月以内に開始する予定である「関心期ステージ」にある中高年者を対象に、ニーズを明らかにした上で、フィットネス理論に基づく健康運動プログラムを開発することを目的としている。 平成26年度については、ヒアリング調査を実施した平成25年度の研究成果を発展させ、プログラムを開発するためのアクションリサーチを始めとした質的研究を行った。フィットネス教室開始時点から起算して、受講者の平均人数は5.2名から18名へと漸次的に増加し、ニーズに基づくプログラムの有効性が確認された。延べ受講者数703名(男性4名、女性699名)の運動初心者からプログラム体験に関するデータが収集され、「楽しさ」「リラックス」「仲間」「健康」「指導者」「情報」「料金」等のキーワードが抽出された。研究成果の一部については、身体運動文化学会関西支部が発行する査読付き学術誌「身体運動文化論攷第14号」(印刷中)に掲載された。また、高知県下にある運動・スポーツ施設6ヶ所においてトレーナー及びスタッフ20名が来館者を対象にヒアリングを行い、収集された情報を基にプログラム内容及び展開方法を修正した。さらに、運動・スポーツ指導者や施設マネジメント担当者を対象とした高知県体育協会主催の講演会を始め、高知県教育委員会及び高知市教育委員会と連携・協働し、各種セミナーや講習会を精力的に行った。以上の活動に注目した新聞社(県内シェア86.5%)より、四国活性化プロジェクトにおけるスポーツ開発とフォーラム参加の依頼があるなど、本研究助成事業によるインパクトは非常に大きいことが示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、インタビュー調査を踏まえてプログラム実践を中心に行い、運動初心者である中高年(延べ人数703名:男性4名、女性699名)が自主的に研究に参加した。受講者のニーズは、「楽しさ」「リラックス」「仲間」「健康」「指導者」「料金」等の上位概念に集約され、査読付きの研究論文において研究成果を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、今年度までの研究成果に基づき質問紙調査を実施する。平成26年度までに実施したインタビュー及びプログラム実践における研究成果と合わせ、プログラム実施に必要な構成要素を精査する。また、査読付き学術誌への投稿と学会発表及び体育関連団体における講習会等を通じて研究成果の普及に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
プログラム実施による質的研究を優先したため、質問紙調査に関する謝金が残金として残っていますが、平成27年度に支払い予定です。
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次年度使用額の使用計画 |
質問紙調査協力者への謝金に使用する予定です。
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備考 |
本事業による主な講演会・講習会:2014年5月15日(木)高知市スポーツ指導者講習会「生涯スポーツの基本的考え方」、2014年12月14日(日)高知県スポーツ推進委員対象講演会「地域のスポーツ指導者に求められるもの」、2015年1月8日(木)高知市スポーツ指導者講習会「はじめてのやさしいダンス指導」、2015年2月15日(日)高知県体育協会資格更新研修会「中高年者のための運動プログラムについて」
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