研究課題/領域番号 |
25870494
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梶谷 康介 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10597272)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ガレクチン-1 / レクチンタンパク / 海馬 / 介在神経 / 統合失調症 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はレクチンタンパクの一種であるガレクチン-1の中枢神経における発現・機能に注目し、ガレクチン-1と統合失調症をはじめとする精神疾患との関係を明らかにすることである。3年目の計画として、1. ガレクチン-1欠損マウスと野生型マウスの海馬における介在神経数のステレオロジー解析の結果を学会報告する、2.統合失調モデル動物(poly i:cモデル)を用いた研究、3. 同モデルを用いて、ガレクチン-1欠損マウスと野生型マウスの海馬における介在神経の分布、4. 両群マウスの行動解析(open field,novelobjective recognition test, elevated plus maze, water mazeなど)、5. 統合失調症患者および健常者の血清中ガレクチン-1濃度の比較を予定していた。 1.ガレクチン-1欠損マウスと野生型マウスの海馬における介在神経数のステレオロジー解析に関しては、予定どおり第38回日本神経科学大会(神戸)にて発表した。 2-4. の2.poly i:cモデルを用いた研究に関しては諸般の事情により実施されていない(詳細は現在までの達成度で述べる)。 5. の統合失調症患者および健常者の血清ガレクチン-1濃度の比較については、H28年4月1日時点で、患者群32名、健常者群32名の検体を集め、鋭意解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ガレクチン-1のマウス海馬内での組織学的特徴はこの3年で概ね明らかにでき、ほぼ当初の目標を達成している。またガレクチン-1の存在が、介在神経の発生に必須ではないことを明らかにした。しかし、統合失調症モデル動物を用いたガレクチン-1と精神疾患に関する研究は進んでいない。理由として、1.申請者の所属が変わり(九州大学医学部から基幹教育院への異動)、その結果、マウス実験をするだけのまとまった時間を確保できない、2.異動先の研究施設にマウスを飼育しするスペースがない、が挙げられる。統合失調症患者の血清中のガレクチン-1濃度の研究に関しては、提携先の選定と倫理委員会への申請が終了後、順調に参加者を集めることができ、H28年4月1日現在、患者群32名、健常者群32名の検体を集め、鋭意解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
マウスを用いた研究は、異動先での研究遂行、および研究協力先である生体防御医学研究所での飼育スペースの確保が困難であるため、断念せざるを得ない状況である。しかし、ヒト血清を用いた研究に関しては、H27年度にようやく研究体制を異動先において整備することができ、今後も解析を継続する予定である。また、ガレクチン-1だけでなく、他のレクチンタンパク(ガレクチン-3など)も予算が許す限り、ELISAによる濃度測定を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたマウス実験が実行不能となったため、飼育代・薬剤代などに余剰金が生じた。またヒトガレクチン血清濃度測定も、3年目の後半でサンプルが集まり始め、ELISA kit購入が遅延しているため、予算に余剰が生じた。また、ガレクチン-1欠損マウスと野生型マウスの介在神経数に有意差がなかったため、この研究に関する論文化にともなう費用(翻訳料、投稿料)が不要になったことも挙げられる。
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次年度使用額の使用計画 |
マウス実験への研究費投入は諦め、予算の余剰金すべてをヒト血清を用いた各種ガレクチン濃度測定に関する研究に投入する。具体的にはhuman galectin-1 elisa kit, human galectin-3 elisa kit, human galectin-4 などのkitや、elisa実験に使用する消耗品や統計ソフトの購入に使用する予定である。
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