本研究の目的は,児童養護施設に入所している発達障害児童の実態を把握し,支援のあり方を検討することであった。全国の児童養護施設で勤務する心理療法担当職員を対象に,児童の状態の実態と行われている支援について質問紙調査を行った。結果より,発達障害の疑いを含めた児童の割合の高さが示され,対人関係のみならず進路選択を含めた自立支援上の困難が高いことが示された。臨床実践研究からは,個別心理療法のみではなく,発達障害児童が不安を抱きやすい施設生活を具体的に支援する多面的なアプローチが必要であることが示された。
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