研究課題
若手研究(B)
X 線動画像とCT から構築した投影像の重ね合わせによる健常股関節の動態解析を、歩行、しゃがみ込み、椅子からの立ち上がり、体幹捻り動作などの日常生活動作において行った。本手法により、過去には解析困難であった深屈曲や捻りを含む様々な動作における、骨盤と大腿骨の協調運動を高精度で詳細に解析することが可能であった。椅子からの起立時には骨盤前傾が大腿骨伸展に先行しており、大腿骨屈曲と股関節屈曲にはタイムラグと相違を認めた。本手法は、股関節疾患の病的キネマティクスを評価する際にも有用であると考えられた。人工股関節置換術前の変形性股関節症においても同様の解析を行い、健常股より、椅子からの起立動作中に骨盤後傾や骨盤の冠状面での動揺性が大きい一方、股関節の回旋変化量は小さく、加齢による腰椎前弯減少や股関節周囲筋の筋力低下、拘縮、疼痛等の影響が考えられた。
2: おおむね順調に進展している
平成25年度においては、CTデータベースの構築、生体股関節の動態解析、人工股関節の動態解析を行うことが目標であったが、全て達成できている。生体股関節に関しては、関連学会にて発表を行っており、現在英文誌に論文を投稿中である。また、人工股関節に関しては、平成26年度には学会発表を予定している。
Femoroacetabular impingement (FAI) 症例では疼痛が出現する深屈曲動作やスポーツ動作を行い、CT データを用いた骨形態の三次元計測についても合わせて行う予定である。人工股関節においては、CTデータを用いたインプラント設置位置の三次元計測を行い、動態解析の結果と合わせて、至適インプラント設置位置について検討を行う予定である。
ボランティアとして撮影予定だった数名を、次年度に撮影するように変更したため。ボランティアのX線及びCT撮影費用として使用する予定である。
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