研究概要 |
(1)マウスの脳梗塞モデルの確立 20-25gの雄マウスを2%イソフルレンで吸入麻酔し、マウスを腹臥位にして頭蓋骨を露出。レーザードップラー血流計(FLO-C1、OMEGAWAVE社製)の血流測定用プローブを右中大脳動脈(MCA)支配領域に接着剤にて固定。次にマウスを仰臥位として、前頸部を正中切開し、頸動脈を露出。右総頸動脈を一時的に遮断し右外頸動脈(ECA)を結紮の上切開し、silicon coated monofilaments (602056PK10、栓子径200μm、全長20mm、Doccol社製) を挿入。右内頸動脈の末梢側へと進め、右MCAを閉塞。MCA閉塞はレーザードップラー血流計での血流信号の低下によって確認した。MCA閉塞から2時間後に再度麻酔下に再開創しfilamentを除去して急性期脳梗塞(MCA 2時間閉塞)モデルを作成した。梗塞巣の評価には、2,3,5-triphenyltetrazolium chloreide (TTC)染色を用いた。脳梗塞作成から24時間後にイソフルレン吸入にて深麻酔後に頸椎脱臼で安楽死させ、脳を切り出し、マウス用のブレインスライサーにて1mm間隔の冠状断の脳切片を作成、1% TTC溶液中に37℃、20分間静置する。染色された脳標本をデジタルカメラにて撮影し、画像処理ソフトウエアを用いて梗塞体積を評価した。以上の手技を熟練した。 (2)脂肪由来間葉系幹細胞(AD-MSC)の分離培養 正常マウスを安楽死後にアルコールに浸し、腹部切開し、両鼠径上部の脂肪を切り出した。洗浄、破砕後に酵素処理を行い、600G、5分間室温で遠心分離した。脂肪成分、上清を除去して間質細胞群を得た。さらにマイクロフィルター濾過と遠心分離を繰り返して脂肪由来の間質細胞群を得た。これを培養して間葉系幹細胞と思われる細胞群を得た。
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