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2014 年度 実績報告書

大環状化合物の環内部化学修飾による新規π共役系分子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 25870504
研究機関九州大学

研究代表者

戸叶 基樹  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80372754)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードポルフィリン / コロール / パイ共役系 / 軌道相互作用
研究実績の概要

近年、巨大パイ共役系分子に関する合成化学は飛躍的な進歩をとげ、そこから生み出される新機能(有機材料)は幅広い分野から注目を集めている。本研究は申請者が独自に見いだした大環状パイ共役系分子であるノロールに対し、その構造および電子状態の理解を深め、有機材料としての可能性を探ることを主目的とする。また、特定の大環状パイ共役系分子では、環内部での化学修飾によりそのHOMO-LUMOギャップが劇的に縮小する効果が見られており、ノロールにおいてもその効果が見られるかどうかを検討する。
ノロールはN,C-連結ビピロール部位を有する初めての大環状化合物である。N,C-連結ビピロール部位は分子のねじれに対して高い柔軟性を有しており、平面から外れた構造を取りやすい事が分かった。また、sp3窒素原子が芳香族サーキットに含まれる事で、平面性を失っても中程度の芳香族性を常に維持できることが実験的・理論的に明らかとなった。非平面芳香族分子はユニークな分子内・分子間相互作用に基づく機能発現が見込まれており、今後の展開が期待される。
環内部化学修飾では、エテノ架橋型構造を有すると思われる分子の構築に成功した。しかし、HOMO-LUMOギャップが縮小する効果は見られなかった。これは、ノロールの環内部の空間が狭すぎたため架橋部位が平面から大きく外れてしまい、効率的な軌道相互作用が起きなかったためと推察される。一方で、ノロールを直接酸化することで得られるノロール二量体においては、平面から大きく外れた構造をしているにも関わらず二つのノロール環での効率的な軌道相互作用が見られ、共有結合により連結された積層型のパイ平面を構築する事に成功した。今後、パイ平面間の電子移動を研究するモデル化合物としての利用が期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [学会発表] N-連結コロール-イリジウム(III)錯体の近赤外発光特性2015

    • 著者名/発表者名
      石川喬浩・石田真敏・戸叶基樹・古田弘幸
    • 学会等名
      日本化学会第95春季年会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-29
  • [学会発表] N-フューズポルフィリンルテニウム錯体の配位子交換反応2015

    • 著者名/発表者名
      松尾英明・戸叶基樹・石田正敏・清水宗治・古田弘幸
    • 学会等名
      日本化学会第95春季年会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-29
  • [学会発表] N-フューズポルィリンテニウム錯体の異性化と配位子交換反応2014

    • 著者名/発表者名
      松尾英明・戸叶基樹・古田弘幸
    • 学会等名
      第31 回有機合成化学セミナー
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2014-09-17 – 2014-09-19
  • [学会発表] N-フューズポルィリンテニウム錯体の異性化と配位子交換反応2014

    • 著者名/発表者名
      松尾英明・戸叶基樹・古田弘幸
    • 学会等名
      第25回基礎有機化学討論会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2014-09-07 – 2014-09-09
  • [学会発表] N-連結コロールイリジウム(III)錯体の合成と光物性2014

    • 著者名/発表者名
      石川喬浩・川部泰典・石田真敏・戸叶基樹・古田弘幸
    • 学会等名
      第51回化学関連支部合同九州大会
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      2014-06-28 – 2014-06-28
  • [備考] 古田研ホームページ

    • URL

      http://www.cstf.kyushu-u.ac.jp/~furutalab/

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公開日: 2016-06-01  

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