研究課題/領域番号 |
25870514
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
カチョーンルンルアン パナート 九州工業大学, 先端金型センター, 助教 (60404092)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / エバネッセント / レーザ / 近接場 / 微粒子 / 散乱 / 界面 |
研究概要 |
初年度では,ナノ微粒子(特に粒径100 nm以下)と界面近傍の挙動を観察しそれらの現象を解析することを目的とする.そこで,界面近傍(数百nmの範囲で)に局在する近接場(別名:エバネッセント光)を発生させ,ナノ微粒子が近づいた時のみ,観察すなわち可視化ができる.本手法の特長は,界面近傍数百ナノメートル範囲内のナノ微粒子の散乱光を観察するため,一般的な光照射からの微粒子からの散乱光観察像より,高いコントラストの観察像が得られる.また界面近傍の現象のみ観察できる. まず,これまでになかった携帯型光学系の設計および製作(自作)を行った.次にシリカ(SiO2)やレアアースで製造されるセリア(CeO2)ならびに,金(Au)基準微粒子の挙動を画像処理プログラムにより,観察および解析した.また,直径が異なる単一ナノ微粒子により発生した散乱光強度特性は,一般に使われるレイリー(Rayleigh)散乱理論にあてはめられなかったことが判明した.そのため,新たな数学モデルを設け単一微粒子から発生した散乱光強度特性に一致した. さらに水中における50 nm以下の金微粒子からの散乱光(例えば,毎秒100フレーム)を観察した結果,適切な露光時間の設定により,粒径を特定することが可能であることを示唆した.これより,開発した携帯型装置(重量1.5 kg以下,長さ約350 mm)は今後産業に用いるナノ粒子を解析するためだけでなく,医療や薬学分野に用いる蛍光微粒子に活用できることを期待する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
加工機に搭載することが可能な携帯型界面におけるナノ微粒子の挙動観察装置の設計・製作した.さらに,観察可能な微粒子サイズの実験的検討が行われており,特に最近ポリシング加工に使われる100 nm以下の微粒子を観察したため,次の加工現象を観察する用意ができた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,実機におけるポリシング加工の現象を観察することに重点を置きながら,開発した装置は粒径50ナノメートル以下の微粒子の可視化が可能なため,空気中(例えばPM2.5などの検出),あるいは希薄な微粒子の検出にチャレンジする予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度は海外研修先の高速度カメラを使ったので,高速度カメラを購入する必要がなかったため 最新の小型高速度カメラと対応できるPCを購入する予定である.
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