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2016 年度 実績報告書

精油を用いた看護技術のエビデンス確立‐照射性潰瘍に対する治癒力促進のメカニズム-

研究課題

研究課題/領域番号 25870516
研究機関佐賀大学

研究代表者

柿原 奈保子  佐賀大学, 医学部, 助教 (50588762)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード看護技術 / メディカルアロマセラピー / 熱傷 / 創傷 / 治癒回復過程 / 照射
研究実績の概要

成齢期および向老期において、照射性皮膚潰瘍の状態に似た乾燥皮膚となる熱傷皮膚モデルでの洗浄剤の違いによる皮膚の回復過程の違いについて実験して結果を得た。洗浄剤を使用すると乾燥を助長するとされるため、水洗浄を推奨されている。今回、コールドプロセス製法の石鹸を洗浄剤として使用し、その効果を調べた。コールドプロセス製法石鹸は、キャリアオイルを低温で鹸化反応を起こして作成する石鹸である。
これは、健康皮膚への保湿効果が広く知られている。そこで、これを使用して熱傷皮膚への治癒回復過程にどのような影響を与えるか調べた。熱傷受傷直後から皮膚は急激に乾燥した。受傷後から連日洗浄ケアを継続した。水洗浄のみのコントロール群、市販の石鹸、弱酸性洗浄剤、そしてコールドプロセス製法石鹸群で洗浄ケアを実施した。コールドプロセス製法石鹸洗浄群は、皮膚の乾燥を抑制し、保湿効果があることがわかった。そのことにより、受傷部位の上皮再生が促進された。その際、保湿効果により、痂皮の形成が少なく、上皮再生状況は形成外科学的に良好な外観を呈した。成齢期の皮膚であっても、向老期のもともとが乾燥傾向である皮膚であっても、コールドプロセス製法石鹸洗浄群の保湿効果が高いことは変わらなかった。
これらの結果から、照射治療中の皮膚では、照射による皮膚への悪影響があるため保湿剤などの使用は控えたいことからも、洗浄剤そのものが保湿効果があることは皮膚のつっぱり感にも有効であると考えられる。有用なケア材料となるエビデンスを導き出せたことで、今後、臨床応用へとつなげていける重要な成果を得ることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Moisturizing effects of cold prozess soap treatment in mouse burned skin:A potential effectiveness soap in complementary medicine2017

    • 著者名/発表者名
      Kakihara N,Yamamoto M,Kitajima S,Aoki S,Narisawa Y,Toda S
    • 雑誌名

      Journal of Japanese Sosiety of Aromatherapy

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 向老期熱傷皮膚モデルに対する初期局所療法での洗浄剤に関する研究2017

    • 著者名/発表者名
      柿原奈保子
    • 雑誌名

      看護理工学会誌

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 熱傷皮膚モデルに対する上皮再生過程に影響する因子の検討2016

    • 著者名/発表者名
      柿原奈保子
    • 学会等名
      第19回日本アロマセラピー学会学術集会
    • 発表場所
      星薬科大学
    • 年月日
      2016-11-05 – 2016-11-06
  • [学会発表] 創傷治癒回復過程における精油の効果の検討2016

    • 著者名/発表者名
      柿原奈保子
    • 学会等名
      第4回看護理工学会学術集会
    • 発表場所
      岩手県立看護大学
    • 年月日
      2016-10-09 – 2016-10-10

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公開日: 2018-01-16  

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