研究課題/領域番号 |
25870526
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
丸田 英徳 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00363474)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 煙認識 / 画像特徴 |
研究概要 |
本研究の目的は、任意環境下、特に屋外における新しい画像処理による煙認識手法の開発である。煙はその特性として、透過性や拡散性およびそれらの結果として不定形状をもつ認識対象となる。本研究では、そのような煙の特性を考慮した新しい画像特徴量を提案した。新しい特徴量は、コントラスト変動に対してロバスト性を持つLocal Binary Patternを拡張したものである。屋外では、太陽光などの照明条件の変化が起こりやすく、画像特徴量にはコントラスト変動に対してロバストであることが望まれる。提案する特徴量は、移動物体候補の抽出および背景依存性を除くための背景差分処理ののち、煙の特徴である(1)煙自身の拡散、(2)風などの外因による拡散を考慮した非等方な局所領域から算出される。算出された画像特徴量は、本研究の対象である屋外での煙検出に有効かつ安定的に機能するが期待できる。 また、認識精度の向上のために、Adaboostを用いた学習を導入し、任意環境下での環境依存性を学習により吸収することが期待できる。Adaboostは、単純かつ高精度な識別能力をもつ学習アルゴリズムとして知られており、その実装も比較的容易であるため、本研究の目的に適合したものである。提案した新しい特徴量とAdaboostを組み合わせた煙認識手法を開発し、実画像を用いてその有効性の検証を行った。その結果、屋外における煙の安定した検出が可能であることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的達成のために不可欠である、煙画像認識のための新しい画像特徴量はすでに提案できており、また、安定した画像認識を実現するためのAdaboostとの組み合わせ手法についても一定の成果を得ている。また、シミュレーションによる煙画像生成については、すでに先行研究の調査済みであり、今後実装を行うことにより様々な煙を含む画像データベースの構築を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果である、画像特徴量の提案及び学習との組み合わせによる煙認識アルゴリズムを、実環境でのスタンドアロンシステムで構築する予定である。具体的には、FPGAとカメラによる提案アルゴリズムの実装を行い、その評価を行う。その際に、アルゴリズムのFPGA実装が可能かどうか、ハードウェアリソースの制約についての検討を行い、提案手法のブラシュアップを検討し、より実環境での運用に適用可能な手法の開発を行う。
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