研究課題/領域番号 |
25870528
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中原 和美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (00439572)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知機能障害 / Timed Up &Go manual テスト / 転倒予測 |
研究実績の概要 |
ベースライン評価を終了した地域在住高齢者は112名(平均年齢85.9±7.3歳)であり、6ヶ月間の追跡調査の脱落者は14名(12.5%)であった。 ベースライン調査から、MMSEで23点以下の明らかな認知機能低下を伴う高齢者は除外した。そして、1分間スクリーニングテストの結果より、軽度認知機能障害(MCI)疑いの有無について二群に分けた。その結果、MCI疑い群では、TUGやTUG manualの所要時間は有意に遅かった。そして、転倒アセスメントの結果では、立ちくらみの有無、脳卒中の既往の有無、及び転倒の不安の有無については、MCI疑い無し群に比べMCI疑い有り群では、転倒リスクありとする回答するものが有意に多かった (p=0.03, =0.02, <0.001)。有意差があった項目の中央値で二値化したロジスティック回帰分析を行った結果、椅子立ち上がりテストに時間がかかる者はオッズ比3.36、TMT-Aが49.59秒よりも長い者はオッズ比3.04、また、立ちくらみのある者ではオッズ比4.94及び転倒不安のある者ではオッズ比5.16でMCIが疑われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が産前産後休暇及び育児休業を取得したことから、平成27年11月末に研究対象者の6ヶ月間の転倒調査と認知機能及び身体機能に関する最終調査が終了し、現在、転倒発生状況と転倒に関連する因子に関するデータ解析及びベースライン調査に関する成果公表の準備(論文作成)を行っており、当初の計画が6ヶ月~1年程遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に観察前後の身体機能及び認知機能の評価結果と6ヶ月間の転倒発生観察期間の結果が揃った。今後は、これらの結果をまとめ、学会発表や論文投稿を行い、研究成果の公表を行う。また、結果は地域住民向けにわかりやすくまとめ、リーフレットを作成し、関係機関に配布し啓発活動を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が遅延しており、研究成果公表のための旅費や英文校正費及び投稿料が生じていない。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、研究成果公表のために使用する。具体的には学会発表のための旅費及び参加費、論文投稿のための英文校正及び投稿料である。
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