研究実績の概要 |
術前ホルモン療法施行症例30例の治療前検体において、30か所のDNA増幅状況を検索し、11か所のlocusから成るDNAの増幅パターンが、腫瘍縮小効果の低い群(長径30%以下の縮小をみなかった群)を分けうる可能性を示した (p=0.034)。これらの11か所のlocusに絞って治療前、治療後におけるパターン変化の検索を行い、ホルモン療法によるゲノム変化と、腫瘍細胞のKi67発現や術前ホルモン療法による腫瘍体積の変化率など他の詳細なパラメータとの比較を行っているところであり、さらに短期間の術前ホルモン療法を施行した症例群を用いてValidation studyを行う予定としている。 また、細胞内シグナル伝達に関するリン酸化経路の検索においては当初逆相プロテインアレイを用いて評価を行う予定であったが、ホルマリン包埋標本自体が現段階で評価検体として不適応であることが判明したため、免疫染色にて評価を施行した。30例の術前ホルモン療法施行前および施行後摘出組織に対して重荷PI3K-Aktパスウェイ(MAPK, pAkt, PTEN, 4EBP1)の免疫染色を施行し、治療前のpAktと縮小率の間に負の相関関係を認めた。
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