家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)患者のアミロイドを生化学的に解析すると、断片化したトランスサイレチン(TTR)が検出される。試験管内で形成させたTTR凝集物を神経系の培養細胞に添加したところ、ヒトで観察されるものと類似したTTRの断片化が観察された。生化学的に解析したところ、TTRのC末端側ペプチドが複数観察された。また、断片化部位から、TTRの断片化に関与する酵素の候補が判明し、さらに、TTRのC末端側がアミロイド形成に重要な役割を果たしていることも判明した。今後は、本知見を基に、新たな診断法や治療法の開発を行うと共に、本症の病態モデルの作成も行う。
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