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2013 年度 実施状況報告書

超分子ナノ抗癌剤:葉酸修飾メチル化シクロデキストリン分子ネックレスの構築

研究課題

研究課題/領域番号 25870542
研究種目

若手研究(B)

研究機関熊本大学

研究代表者

東 大志  熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (20613409)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードシクロデキストリン / 分子ネックレス / がん / 超分子 / 葉酸
研究概要

現在、医薬品候補化合物は低分子薬物からタンパク質、核酸、細胞にまで多様化している。一方、近年、超分子という新たな概念が提唱され注目を集めている。申請者は、この超分子を医薬品候補化合物として有効利用することを最終目的とし、本申請課題の研究に着手している。
本申請課題では、環状オリゴ糖であるシクロデキストリンを分子ネックレスにし、さらに、がんのリガンドを修飾した超分子を構築している。これにより、がん選択的に殺細胞作用を示す超分子抗がん剤を開発する。
平成 25 年度は、この超分子の構築を行った。まず、分子ネックレスの軸分子 (糸) となるポリマーの合成に成功した。さらに、細胞内の環境でα-シクロデキストリン (ビーズ) を放出する分子ネックレスの調製に成功した。現在、本分子ネックレスにがん標的リガンドを修飾する合成を実施中である。また、コントロールとして、細胞内環境でもシクロデキストリンを放出しない分子ネックレスの調製にも成功している。一方で、β-シクロデキストリンの分子ネックレスに関して、前段階の物質 (ポリ擬ロタキサン) の合成に成功している。空洞径の大きなβ-シクロデキストリンをネックレス軸内にトラップするためには、非常に嵩高い分子を用いて、軸分子の両末端をふさぐ必要がある。現在、β-シクロデキストリンをトラップすることが可能な分子を調査中であり、候補物質を 2 つに絞ることができた。
今後、β-シクロデキストリン分子ネックレスの構築を最優先課題とし、研究を遂行する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

超分子分子ネックレスの合成に非常に時間を取られてしまった。特に、空洞径の大きいβ-シクロデキストリンの分子ネックレスを調製することは容易ではなく、α-シクロデキストリン分子ネックレスに比べ、非常に難易度が上がる。平成 25 年度は忍耐の年であったが、失敗を通じて数々の技術・ノウハウを習得できた。平成 26 年度はスムーズに研究を遂行できるものと考える。

今後の研究の推進方策

β-シクロデキストリン分子ネックレスの調製を最優先課題とする。既に、β-シクロデキストリンを軸分子内にトラップする化合物の選定は行ったため、平成 26 年度前半までに合成を完了させる。超分子ネックレスが調製でき次第、物理化学的性質 (シクロデキストリン放出挙動、粒子径、ζ-電位)、in vitro 細胞障害性および in vivo 抗腫瘍活性を評価する。

次年度の研究費の使用計画

分子ネックレスの大量合成を平成25年度に行う予定であったが、研究進捗状況から平成26年度に行うこととした。その際の原材料費として次年度に持ち越す必要が生じたため。
分子ネックレスの大量合成の材料費、分子ネックレスの物理化学的性質を測定するための機器使用料ならびにその消耗品、in vitro細胞障害活性を測定するための機器、細胞培養、試薬等。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 選択的かつ高効率な 2,6-ジ-O-メチル-β-シクロデキストリンポリ擬ロタキサンの調製2013

    • 著者名/発表者名
      谷吉雅俊、東 大志、本山敬一、有馬英俊
    • 学会等名
      第6回シクロデキストリンワークショップ
    • 発表場所
      熊本、熊本大学薬学部宮本記念館
    • 年月日
      20131221-20141221

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公開日: 2015-05-28  

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