研究課題/領域番号 |
25870546
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岡島 寛 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (40452883)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 規範モデル / LMI / 最適制御 / ロバスト制御 |
研究概要 |
制御系設計を行う場合には,対象の数式モデルに基づいて制御器の設計を行うことが一般的である.このとき,数式モデルと制御対象の動特性との間にギャップがあれば,それに起因して所望の制御性能を得られない.本研究では,制御対象の出力とモデルの出力の差をフィードバックすることで見かけ上の両者間のギャップを小さくする新しいロバスト制御手法について研究を行なう.誤差抑制のみに特化するような補償器を付加するため,既存の制御系設計法と併用することができ,良好な制御性能を簡単な設計手順で実現できる.さらに,通常ロバスト化しにくい非線形システムや無限次元システムなど様々な対象への適用も期待でき,その手法の構築を行なう. 本年度は,モデル誤差抑制補償器の内部安定性について解析手法を与えた.フィードフォワードの場合は補償器内のフィードバックループのみ考えればよいのに対し,フィードバック制御を併用する場合は制御器だけでなく全体に対する安定性解析が必要になる.フィードバック制御器が既知なものとして,その安定性解析の手法を構築している.通常のロバスト制御において与えられている安定性解析手法に基づいて導出したものであり,H無限大制御の枠組みでその判定条件を与えている. また,多入力多出力系(MIMO系)に対する評価,設計法を考え, 柔軟に評価関数を調整できる設計の枠組みを導いた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H25年に目的としていたMIMO系についての設計法を導き,この結果を論文として公表した.一部,H25年の目標としていた研究(非最小位相系に対する設計)の進度は遅れているが,H26年に遂行予定であった非線形制御系への実装についてのめどを立てている.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,非最小位相系に対する設計や,非線形系に対する設計法について定式化を行い,その解法を導く予定である.研究計画からの変更はない.
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた論文の掲載費用の期が来期にずれたため。 論文2本の掲載に係る掲載費用に充当する。それ以外は当初の計画通りであり、計算機購入、数値計算パッケージライセンス費用および出張費用としての支出を計画している。
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