研究実績の概要 |
スラリー充填繊維コンクリート(SIFCON)を用いたRC版の効率的な耐爆補強技術の構築に資するため、裏面側にSIFCONを用いて断面積層補強を施したRC版の接触爆発に対する耐爆性能について実験的検討を行った。なお、厚さ100mmのRC版に対して、SIFCON補強厚を0, 25, 50, 75, 100mmの5水準で変化させて試験を行った。その結果として、無補強のRC版であれば破壊モードが裏面剥離および貫通となる接触爆発条件下において、SIFCON積層補強による顕著な裏面剥離低減効果が確認された。また、SIFCON補強厚が減少するほど、SIFCON層の内部損傷が低減され、尚且つ外観上明らかな裏面剥離が低減される傾向が認められたため、SIFCON積層補強による耐爆性能向上メカニズムを1次元波動モデルやSIFCON層の押抜きせん断耐力を用いて考察した。 爆発荷重を受けるRC構造物の防護設計においては、耐爆性能の確保と併せて、爆風に伴って発生する飛散物の高速衝突に対する耐衝撃性の確保が必要とされる。そこで、SIFCONおよびポリエチレン繊維補強コンクリート(PEFRC)を対象に、飛翔体衝突速度を400, 450, 600m/sの3水準で変化させた高速衝突試験を併せて実施した。実験結果に基づき、SIFCONおよびPEFRCの適用による裏面剥離限界低減効率を提示した。
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