日本人に多いHLA-B*35:01は、他のHLAを持つ感染者に比較し、血中ウイルス量が高く、エイズ病態進行に関連がある。本研究では、HIV感染制御に関与するB*35:01拘束性細胞傷害性T細胞(CTL)の機能解析を行った。4種類のエピトープに対して、より多く反応を示す感染者ほど、ウイルス量が低く、いくつかのエピトープに対する反応が重なることで、生体内ではウイルス増殖抑制の相乗効果が得られると考えられた。4つのエピトープ領域内にはB*35:01陽性感染者で優位に蓄積していた2つのアミノ酸変異を認めたが、CTL反応には影響がなく、交差反応を示し、ウイルス増殖に重要な役割を果たしていると考えられる。
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