研究課題/領域番号 |
25870561
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
都甲 由紀子 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (40586195)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ブータン / 天然染料 / 染織 / 衣生活文化 / 衣服材料生産 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
本研究は、ブータンにおける衣生活文化の保護と衣服材料生産に関する伝統知識を解明し、ブータンのみの調査に終始せず、照葉樹林文化圏の雲南省、日本における伝統染織や衣生活文化との関連性についても明らかにし、広域的に考察することを最終的な目的として実施している。
平成26年度は以下の通り研究を行った。 1.25年度のフィールド調査の成果を整理し、ペマガッツェルの綿織物について内容をまとめ、台湾で行われた2014 International Symposium and Exhibition on Natural Dyes (ISEND) & World Eco-Fiber and Textile Forum (WEFT)においてポスター発表をした。ラックカイガラムシの養殖の様子についてはブータン勉強会で紹介した。 2.日本国内でブータンの染織品収集家を訪ねて聞き取り調査をした。 3.25年度の調査内容を学校教育教材として活かす試みを行った。ブータンで撮影した写真や動画を中学校家庭科の衣生活内容の教材の一部として利用した授業として提案し、生徒に衣生活について再考する機会を与えるきっかけを作った。大分県小学校教育研究会家庭科部会夏季研修会においても講演をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付金額の不足により現地でのフィールド調査が不可能ではあったが、前年度に収集した情報を整理し、文献調査を進め、日本国内でブータンの染織品収集家を訪ねて調査をし、これまでの調査内容を学校教育に活かす試みを行った。 本年度、台湾での国際シンポジウムにおいて発表をし、ブータンに関連する講演の依頼を2件受けた。随時発表の機会をとらえて成果を整理し、研究内容を公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる平成27年度は、ブータンにおいて現地調査をし、3年間の総括を行う。ブータン国立工芸学校ゾーリッグチュスム(National Institute for Zorig Chusum)において染織や刺繍コースの教員や学生にインタビュー調査を行い、織りや刺繍に関する伝統技法や模様の種類・意味について調査する。本研究の成果を取り入れた学校教育における教材開発を進め、検証する。さらに、ひらめき☆ときっめきサイエンスにおいて、高校生対象のプログラムを実施する予定となっている。一般公開講座の開催と学会発表も予定している。 研究費に関しては、ブータン調査旅費、研究協力者との打ち合わせのための出張旅費、調査関連費用として使用予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
交付金額の不足により、現地調査が不可能であったため。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度の現地調査の旅費として使用する。
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