本研究では、健康の社会的決定要因のメカニズム検討の視点から、地域・個人の社会関係資本(以下SC)とポジティブ心理資源を中心に健康との関係を検討した。沖縄において、オキシトシンやストレス指標を含む採血調査、栄養、生活習慣に関する質問票調査を、2010年からのコホート調査として継続実施した。全国データとの結合、分析の結果、SOC・利他的行動・笑い・幸福感等のポジティブ心理要因と、認知・身体機能の維持、循環器疾患等生活習慣病との関連が示された。加えて、SCと検診受診、認知症発症等、複数の健康アウトカムとの関係性が示され、地域におけるポジティブ心理要因とSCの健康への保護的機能が示唆されたと考える。
|