研究課題/領域番号 |
25870574
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
片野 唆敏 札幌医科大学, オホーツク医療環境研究講座, 助教 (50438040)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | レジスタンストレーニング / 心室動脈整合関係 / 実効動脈エラスタンス / 収縮期末エラスタンス / ハンドグリップ運動 |
研究概要 |
本研究は,可能な限り心負荷を抑えつつ,筋力増強効果が得られるレジスタンストレーニングの運動負荷条件を見いだすことを目的とするものである.研究初年度は,(1)心室動脈整合関係(Ees/Ea),実効動脈エラスタンス(Ea),収縮期末エラスタンス(Ees)の非侵襲的な評価法の確立,(2)レジスタンス運動におけるの運動負荷条件を選択的操作による心室-動脈整合関係(Ees/Ea)の変化の追跡を行った.はじめに,先行研究に準じて,心収縮期時間と動脈圧に基づくEes/Eaの非侵襲的な計測システムを作成し,本システムにて算出した心収縮期時間,頸動脈圧,および別途超音波法によって計測した左室容積の解析からEes/Ea,Ees,Eaの非侵襲的評価が可能となった.このシステムを用いて,健常男性13名を対象に,運動仕事量(筋出力と運動時間の積)を一定とした運動負荷条件下において,等尺性ハンドグリップ運動(IHG)の抵抗荷重および運動様式がEes/Ea,Ees,Eaへ及ぼす影響を観察した.その結果,抵抗荷重(15%MVC,30%MVC)が及ぼす影響の検討では,抵抗荷重によるEes/Ea,Ees,Eaの相違は明らかではなかった.一方,運動様式(持続性IHG,反復性IHG)が及ぼす影響の検討では,運動様式よるEesの相違を認めなかったものの,反復性IHGは持続性IHGよりもEaの上昇とEes/Eaの低下が緩徐であることが示された.IHGは後負荷を上昇させやすい運動であるが,反復性に行われる運動負荷条件下であれば,後負荷の上昇が緩徐であり,Ees/Eaを低下させにくい可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計測に必要な超音波装置の購入手続に時間を要し研究の開始時期が大幅に遅延したこと,計測システムの構築に時間を費やしたことで,研究計画の全体が遅延したため.
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今後の研究の推進方策 |
研究実施に関わる今後の方向性として,1. 大量のデータを効率的に分析するために,コンピュータに取り込んだ心音図,心電図,動脈圧波形から算出される心収縮期時間の自動演算化と精度の向上,2. 高い抵抗荷重下において,Eaの上昇やEes/Eaの低下を抑制するための至適運動負荷条件の検討,3. 至適運動負荷条件下でのレジスタンストレーニングによる心血管計および筋骨格系への絵今日の検討,の3点を行っていく.
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