研究課題
若手研究(B)
新しい炎症マーカーpentraxin 3(PTX3)は、C反応性蛋白(CRP)より局所の炎症を鋭敏に反映し心血管疾患の優れたマーカーであるが、近年PTX3は炎症マーカーとしてのみならず、心血管疾患の病態に関与していることが報告された。心筋梗塞を基礎として心不全へと進展する経過には炎症が関与することが広く知られている。本研究ではPTX3欠損マウスを用いて、心筋梗塞後の心不全発症および進展におけるPTX3の役割を分子生物学的に明らかにしてPTX3を標的とした新しい治療法の開発を目指す。放射線照射により骨髄抑制させたPTX3欠損(PTX3-KO)および野生型(WT)マウスへそれぞれの放射線未照射マウスから採取した骨髄細胞を尾静脈より注入することで骨髄細胞の由来が同じ動物種のマウスと異なる動物種のマウスを作製する。そのマウスに心筋梗塞を作製しその後の心機能、炎症反応の程度、生命予後について検討する。骨髄細胞と本来の心筋組織におけるPTX3 のどちらがリモデリングに関与するかを検討する。現在はそれらの手技による骨髄移植、および心筋梗塞マウスモデルを作成中であり、今後は心エコー検査、組織学的評価を行い、心機能や心臓リモデリングの程度を比較検討する。
3: やや遅れている
放射線照射、骨髄移植、そして心筋梗塞作成とマウスへの侵襲度合いが大きく、手技が安定しない間はマウスの生存率が低かった。またPTX3ノックアウトマウスは繁殖が難しく、出生数が少ないためマウスの数を確保するのが非常に難しい。現在はマウスの交配数を増やして対処している。
今後は現在行っている実験を継続し、対象数を増やして組織学的評価や心エコー検査による心機能評価、そしてその分子病態学的機序を解明する。研究方法としては先の研究計画にのっとる。
次年度の早い時期に試薬及び実験用消耗品を購入する必要があったため。実験用の試薬・消耗品を購入する予定である。
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