研究課題
心筋梗塞巣へ骨髄由来の細胞が誘導され発現しているかを検討するため、PTX3-ノックアウト(KO)マウスおよび野生型(WT)マウスにそれぞれのマウスから採取した骨髄細胞を、それぞれに移植(bone marrow transfection: BMT)した。つまり①WT-BMT WTマウス、②PTX3-KO-BMT WTマウス、③WT-BMT PTX3-KOマウス、④PTX3-KO-BMT PTX3-KOマウスの4群に分けた。骨髄移植後、recipientマウスの冠動脈を45分間結紮した後、開放することで虚血再灌流モデルを作成した。そうしたところ、組織学的検討では、左室全体に占める梗塞領域は④で最も大きく、①に比べて②が、また③に比べて④が大きいという結果であった。つまりこのことから、recipientマウスに関係なく、梗塞領域には骨髄由来細胞が大きく影響することが分かった。免疫染色による解析では、虚血再灌流後の心筋組織内において、好中球、マクロファージともに移植した骨髄細胞に由来することがわかり、また血管内皮細胞についてはrecipientに由来することが分かった。また血中および心臓組織内のインターロイキン6の発現量をELISA法にて調べたところ、④において最も高値であった。更に酸化ストレスの程度をデヒドロエチジウム染色で調べたところ、①よりも②が、また③よりも④が高く、④が最も高い酸化ストレスを受けていることが分かった。これらのことから、虚血再灌流後の心臓組織においては、PTX3は骨髄由来の免疫担当細胞から放出されることで血管新生を促し、虚血後の心機能回復に寄与していると考えられた。
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